魚はどこで獲れるのか。
海のない、大河のないこの国では、
溜め池を利用した養殖を行っている。
うちの職場(農業水利水産資源省地方局)でも、昨年養殖を試みた。
場所は、いつもの溜め池。
棒を立て、網を張り、稚魚を放って。
一体何が計算外だったんだか、雨季の増水ですべて脱走。
大々的にやってたのに、この結果。
なんて、チャーミングなブルキナ。
つまり、乾季で水かさも面積も減った今、魚獲りはウハウハ。
(魚を取るには許可が必要らしいけれど・・・)
ある日の夕方、溜め池内でオッサンが魚獲り。
自分自身が水中に入って、網を投げる手法。
オッサンの釣果①
沼臭さを放つ、大きなナマズ。
一部地域では焼いて食すようだけど、ほとんどは乾燥させる。
オッサンの釣果②
(裏返しのナマズは①と同じ)
どうやって食べるんだ?の小魚、ティラピア。
あと半年置いておけば、それなりのサイズになるのに・・・
「キャッチ&リリース」はないらしい。
最近はイカ釣り専門のうちの父に見せてあげたい、
ブルキナの魚獲り事情でした。
うちの母は、筆まめ。
何かあれば、すぐにお礼のお手紙を書く。
それは見習いたい、ケドなかなか見習えない習慣。
その母から封筒が届いた。
中には3通の手紙。
一通は、私に。
一通は、窯出しバゲットをくれたパン屋に。
一通は、うちの職場の皆さんに。
ブルキナに来た時の感想や、感謝が綴られたお手紙。
All日本語で・・・。
「訳して読んであげてね。」という母の伝言。
私のフランス語を一体何だと思っているのだろう?
ま、要するに「メルシー」ってことでしょ。
「手紙来たよ。楽しかった。色々ありがとうって。」
30秒で終わるミッションだぜ。
高をくくっていたところ。
今度はメールまで来ていた。
『「メルシー」だけじゃ、私と変わりません。しっかり頼みます。』という・・・。
流石、伊達に30年もこの娘を育てていない。
行動を先読みされる。
母の思いを無碍にも出来ず、一念発起。
辞書を片手に訳しましょう。
ついでに飾りもつけましょう。(これはパン屋バージョン)
出来上がったものをパン屋にお届け。
パンをくれた「自称・パトロン」に渡しに行く。
そして、事実発覚。
彼はあくまで自称・パトロンで、せいぜい班リーダーだった。
本当の責任者に渡す。
その喜びようから察するに、こんな田舎のパン屋にこれまで
お礼の手紙なんて届いたことはないのだろう。
ましてや、遠い外国・日本から。
工場で働く一人一人に、その手紙は回されていった。
その顔は、初めて見るであろう日本語の不可解さへの驚きと嬉しさに溢れ。
ちょっとした椿事。
手紙は、きっとどこかに飾られるでしょう。
手紙って、いいものです。
私も書こうかな、ラブレター。
サムライブルー。
セレソン(または、カナリア軍団)。
アズーリ。
無敵艦隊。
レ・ブルー。
サッカー代表には、それぞれ愛称がある。
色がそのままニックネームになっているケースが多いみたいだけど。
お隣、コート・ジボワールは「エレファン」、象。
そして、我らがブルキナファソは「エタロン」、種馬。
10日程前U-17アフリカ杯で優勝したブルキナ代表は、先週水曜日に凱旋帰国。
その後、どうやら各所にて祝賀イベントをやっているらしい。
そんなエタロンがウンデにやってくる!
平日の朝10時にも関わらず、会場となる国道は人でいっぱい。
タムタム(太鼓)やバラフォン(木琴)が奏でられる。
エタロンは、大きなバスでやってきた。
と思ったら、早速市長やら有権者らと握手開始。
後ろの方でもがいていたら、外国人特権、前に行かせてもらえた。
アフリカの中でも裕福でないこの国が、
エジプトやセネガルを倒し、アフリカNo.1になった!
雄たけびを上げるオッサンの気持ちも分かる。
彼らは、この国に感動と希望を与えた若者たちなのだ。
お偉いさんの最後尾にいたら、みんなが私にも握手をしてくれた。
以外にも華奢な手と、忘れていたけれど17歳以下の青年たちの若さに、
戸惑いながらも、「オメデトウ!」を連呼する。
でも、名前、知らない・・・
確か、決勝でゴールを決めたのは「トラオレ」君。
とりあえず「トラオレー!」って言ったら、誰か反応するかな。
いや、「トラオレ」は、ブルキナの代表的な苗字。
いっぱいいるだろう。
最後に握手してくれたのは、キャプテン。
その光り輝くトロフィーは!
興奮して、トロフィーにも握手。
登場してから、再びバスに乗り込み去っていくまで約10分。
次の町へと喜びを届けに行った。
ブラジルかカタールか、その次か。
いつか彼らをワールドカップで見たい。
その時、彼らは、この国に大きな希望を与えてくれることだろう。
先日、ブルキナのU-17がアフリカカップで優勝した。
そして日本のアジア制覇。
ブルキナべとお互いにその優勝を称えあう1月末。
日中の気温は39℃。
今夜は星がキレイだなぁ・・・
それもそのはず、ウンデの町全体が停電。
水は朝、どれだけ汲み置きできるかが勝負。
だって、あとは出ないから。
厳しい季節がやってきた。
そりゃ朝10時からビールも飲むわ。
って、あなた、小学校の先生ですよね・・・?
「今、休憩中なの。」って、
日本人にはビックリですよ。
(もう友達は帰ったけれど)
ウンデのお土産屋にて。
あ。
もしかして。
こんなところで・・・
兄弟、発見?
なかなか、いいアゴ持ってるねー。
お互いに称えあう1月末。
隣国、コート・ジボワールから届けられている電気が、止まった。
「バボ(選挙で負けたものの、大統領だと粘り政治混乱を起こしている)が
止めたんだ!」
と同僚は笑うけれど、本格的な停電&断水シーズンの到来。
19時から朝まで停電。
水は、出たり、出なかったり、出なかったり。
「カリテ(シアバター)でランプができるんだって。」
聞いたことは即実行のユキが作った柔らかい炎。
(手前がカリテ、奥は海の香りのキャンドル)
停電さえも、素敵な思い出に変わる。
ベナンとブルキナは
国境を接する隣国。
同じフランス語圏であり、
食べ物や文化も似ている。
「俺と結婚しよう。
ブルキナべもいいだろ?」
という、毎日のように行われる
プロポーズにも、
「私、ベナンに5人夫がいるから。」
その軽いあしらい方。
きっと私と同じような時間を過ごしてきたんだろう。
同じアフリカ大陸に
やってきて。
分野は違えど、
同じような目標を持ち。
私たちは間違ってなかったと
確信する。
食べるのが大好き。
ベナン食も
ブルキナ食も大好き。
残り日数×3食しか
食べられないのが残念なくらい。
夕日と朝日に誘われて散歩。
音楽と絵画に心癒され。
そんな彼女と次に会うときは。
化粧もしているでしょう。
元の色が分からないような服は着ませんよ。
何を食べているか分かるくらいに明るいお店に行きましょう。
その再会を楽しみに。
日本で会いましょう。