私の町ウンデ。
キャッチフレーズを考えてみた。
「ウンデもかんでもあるよ。」
「日曜日?ウン、デートしよう!」
ブルキナに暮らす隊員、計7名が日替わりで泊まりに来た。
ある人は、ニジェールに近い砂の町から。
ある人は、電気も水道もない村から。
ある人は、水洗トイレとシャワーのある首都から。
同じ国内でも、町によって、家によって全然雰囲気は違う。
そこに住む民族が違えば、顔立ちや挨拶も違う。
そして、自分では当たり前だと思っていることも、他の隊員には新しかったりする。
例えば。
バケツに水を一杯汲んで水を浴びる。
シャワー生活に慣れた人には新鮮らしい。
せっかくのお客さんにも、断水は容赦ない。
「洗い物はいつしたらいいでしょう?」
答えは、
「水が出る時。」
同じブルキナ隊員から、「大変だねぇ。」と言われて、ちょっと戸惑う。
8ヶ月住んでいるこの町の魅力を、初めての来訪者に聞いてみた。
それぞれにトップ3を書いてもらったランキングで。
第5位(1票)
・緑が多い
・焼き豚が食べられる
・軽井沢(私の職場前の並木道)
・静けさ
・「女性の家」の女性達の優しさ
・家の居心地
第3位(2票)
・ハンモック
・barrage(溜め池)の夕暮れ
第2位(3票)
・gare(バスターミナル)
他のgareより広い、ゴミが少ない、売り子がしつこくない、
マスクを売っているお土産屋がある・・・という理由。
番外編
・どこにあるんだ、ロンポワン(ロータリーみたいなもの)
・ミカと過ごした夜
・ミカの生ゴミの捨て方&水の捨て方(来た人だけが知っている)
第1位(5票)
・マンゴー
でした。
なるほど、なるほど。
gareの評価の高さは意外だった。
他を知ることは、己を知ること。
己を知ることは、他を知ること。
私も旅に出よう。
あまり時間はなかったけれど、ウンデートしてくれた皆様、ありがとう。
当たり前だけど、生まれたとき、私は言葉を知らなかった。
何冊もの本を読んだ。
何本もの映画を観た。
何曲もの歌を聞いた。
何人もの人に出会った。
今、私はたくさんの言葉を知っている。
美しいことば。
優しいことば。
元気をくれることば。
忘れられないことば。
時には誰かの言葉に傷つき、
時には誰かの言葉に励まされ。
何かと、誰かと出会うことは、新たな言葉を知ることかもしれない。
それなのについ出てしまうコトバ。
めんどくさい。
忙しい。
どーでもいい。
自分にも、相手にもプラスにならないそんなコトバ。
同じ口から出る言葉。
どうせなら「いいことば」を発していこう。
「ムリだ」ではなく「やってみよう」
「ごめん」ではなく「ありがとう」
「嫌い」ではなく「好き」という言葉を。
ブルキナにいて思い出す言葉。
それは、ある日大学の図書館で読んだ新聞の小さな記事にあった。
未来のことを考える人には、いつも未来がある
(元フランス大統領 ミッテラン)
私はここで何かを急激に変えることなんてできない。
この国の発展に大きく貢献することも難しい。
でも、例えば自分が去る時。
例えば10年後。
例えば22世紀。
この国はどんなだろう。
その未来を考えてみる。
「めんどくさい」じゃなくて、「一緒に考えてみよう」。
その未来はきっと明るい。
そして、今日も素敵な言葉を何回も言おう。
おかえり。
愛してる。
大丈夫。
ありがとう。
朝からゲルマン人の大移動。
水を入れたポリタンク。
大小のタライ。
クワにツルハシ。
昼ごはんと思われる鍋。
子どもに赤ちゃん。
そして犬。
色んな荷物を持って、
ある人は3人乗りの自転車で。
ある人はロバ車で。
ある人はひたすら歩いて。
どこに行くんだ?
その先に何があるんだ?
「みんな、金を掘りに行くのよ!」
なにーーーーー!?ゴールドラッシュ!?
そりゃ、行くしかない。
ウンデのゴールドコーストへ。
そりゃ、掘るしかない。
ルパンが持ってるような、金塊を。
「そんなに遠くないよ。すぐそこ。」
出たーーーーー!
私の信頼できない4大ブルキナワードのうち2つ。
「Pas loin(遠くない)」と「Just à côté(すぐそこ)」。
ちなみにあと2つは、「J'arrive(今行きます)」と「 Tout de suite(すぐに)」。
近かったことも、すぐそこだったこともないし、なかなか来ないし、時間がかかる。
歩く人たちを横目にバイクで先に到着。
その距離5km。
これは、「遠くない」「すぐそこ」の範疇なのだろうか?
イメージしていたのは、川中でタライを振るう光景。
しかし、実際には。
それはまるでゴールデンウィークの潮干狩り。
埃にまみれた山。
こんなに日陰が無いのは、ポンペイの遺跡以来かもしれない。
老若男女、2000人くらいいた。
顔を埃だらけにして掘っている。
タライを篩って石を取り除き、残った土に水を注ぐ。
出てきた金は、業者が来て買い取るそうだ。
そして、日本やヨーロッパで、この光景を知らない誰かを飾るんだろう。
参加条件はない。
だれでも、
いつでも、
勝手に掘っていいらしい。
完全フリーパス。
職がない、
時間はある彼らにとって、
うってつけの現金収入。
とは言え、そんなに金は出るものじゃなし。
犬を連れて行っても、「じいさん、ここ掘れワンワン」とはいかない。
もうかなり掘りつくされている。
何より、この砂埃。
体にいいはずが無い。
「一攫千金」
千金なんて、
そうそう攫めるものじゃない。
現実は厳しい。
地道に働こう。
でも、今日も、ブルキナ人は大移動。
「女性の家」の女性たち。
石けんを作る女性。
染色をする女性。
機織をする女性。
服を作る女性。
みんな仕事はそれぞれ。
アンケートの結果、一番収入が少ないのが、服を作る女性たち。
そこで、
余った布を使って、
小物作りを始めた。
まずは、
簡単なところから、
シュシュ。
日本の雑誌を見せて、
リボン型なんかも作った。
彼女のセンスはなかなかのもの。
いいんじゃない?
これならいける!
次に見せたのは、小さなうさぎのチャーム。
イメージとしては、かつて流行った「365日テディベア」。
アフリカのこの派手な布地で作ったら、お土産にもいいんじゃない?
早速翌日、試作品ができた。
うそーーーーーーーーーーーーん。
人だった。
しかも、それなりの大きさ・・・
確かに、愛嬌がある。
でも、愛嬌しかない。
「愛嬌があるね」としか言えない。
これって、ほめ言葉なのだろうか・・・
この辺のセンスの違い、如何ともしがたい。
ブルキナベ達は、それぞれに自分達の名前をつけ、大盛り上がり。
一番派手なやつに、「ミカ」と命名までしてくれて。
なんだか、見ていると段々と愛着が湧いてくる。
人形達を首都の事務所に持っていって販売することにした。
日本人の反応は、予想通り。
「これ、ナニ?」
「えー、なかなかかわいいでしょ?」と答える自分にびっくりだ。
改善の余地アリ。
見本として、実際に「かわいい」テディベアを作ってみよう。
でも、私、縫い物は得意分野じゃないの・・・
ボタンつけるだけだって、場所間違えるし。
只今、誰に依頼するか検討中。
そして、次は布ぞうり作りに挑戦しようと目論んでいる。
彼女達の収入向上に結びつくにはまだまだ時間がかかりそうだ。
小学校の帰り道。
通学路にある柿の木の食べ頃を熟知していた。
もちろん、どれが渋柿であるかも。
そして、どこのおじさんが怖いかも。
マンゴーの季節が始まった。
まだ実が小さいもの、色がついていないもの。
近所のマンゴーの成長には、ちょっと詳しい。
ブルキナには10種以上のマンゴーがあるらしく、今は早稲品種が出回っている。
繊維が少なくて、甘味と酸味が程よいやつ。
広げた手サイズで、1個50F、10円也。
ちなみに、うちのマンゴーも大きくなった。
まだまだ硬くてお話にはならない。
それでも、小さな木には100個弱の実がついている。
水も栄養もないのに、偉いもんだ。
重さにしなった蔓の先。
赤くなるのか、黄色くなるのか。
まさか、渋マンゴーなんて無いよね。
待ってるよ。
猛暑の上に、「酷暑」というものがあることを知った。
暑い毎日。
土埃に、シャンプーの泡までオレンジに染まる毎日。
料理をする気にも、食べる気にもならない。
だから、最近の主食はマンゴーヨーグルト。
ヨーグルトの中にマンゴー。
と言うより。
マンゴーの中にヨーグルト。
マンゴーの栄養素はよく知らないけれど、
血液サラサラ効果があるなら、私の血は全身を駆け巡るだろう。
美白効果があるならば、全身のシミもそばかすも、ほくろさえ消えるだろう。
優しい人になれるのならば、マザー・テレサのような聖女になるだろう。
それくらいの消費量。
朝イチからマンゴー。
夜イチもマンゴー。
ブルキナにマンゴーがあってヨカッタ。