家路をバイクで走る夕方、突然呼び止められた。
声の主はタトゥー屋のおばちゃん。
いつもは自宅営業、今日は道端営業らしい。
平安時代、貴族は眉を落とし、点のような眉を描いていた。
あるいは、お歯黒も既婚女性のシンボル、またはお洒落だった。
ここブルキナでも同じ。
私からすると「罰ゲームやろ!?」という眉がお洒落らしい。
まずおばちゃんは、お客の若いオネエチャンの眉を何の躊躇いもなくそぎ落とした。
次に、小さなビニールに入れた植物染料ヘナで、それはもう大胆に眉を描く。
いや、塗る、と言った方が適正かも。
はみ出した部分を剃刀の刃で素早く取り、終了。
両眉合わせても5分のお仕事。
その後乾燥させて、乾いた染料をぺりぺり剥がす。
「気の強いコギャル風」眉、一丁あがり。
2週間程度は持つらしい。
「あなたもやれば?」
きっとそれは親切心から出たものでしょう。
確かに、私の眉は、お世辞にも美しく整っているとは言えない。
でも、「今日はいいや。(絶対やらない)」とお断り。
そしたら、
「じゃあ、手に描こうか?」と、
おばちゃん商売上手。
もちろん、有料。
というわけで、自眉は死守された。