5月5日、こどもの日。
泥棒が入った。
心配かけると思って内緒にしてたけど。
犯行はお昼12:00~12:30。
テラスに置いたデジカメが、30分外出している間に消えた。
テラスから死角ではあるものの、玄関の戸を開け、
家の中には知人がいたにも関わらず。
なんて大胆な。
入ってくるとしたら、裏の空き地、右隣りの空き家、左隣りの家。
翌日警察で事情聴取。
家にも来て、実況見分。
担当のコナテは、警察官なのに、制服を着ていない。
私服刑事ってやつだ。
ま、ジャージなんだけど。
当初から容疑者はいた。
隣の家の少年。
叔父さんと2人で住んでいる。
彼はよくうちを覗く。
壁も段になっていて、
容易に越えられる。
警察は、その時も覗いていた
その少年に、
実際に壁を越えさせた。
そして、本日犯人は捕まった。
やはり、隣の家の少年、14歳。
コナテが取り調べる。
-カメラを盗ったのはお前か?
-いや、違う。
-じゃあなんで、ミカに「カメラ見つかった?」って聞いたんだ?
カメラがなくなったことは誰もお前に言ってない。何で知ってた?
-分からない。どこかで聞いた。
-お前ならあの壁、簡単に越えられるだろうが!
-いや。
ここまでは状況証拠。
「これなら、どーでしょう?」古畑的でもなく。
「事件だから!」天海的でもなく。
「実におもしろい。」福山的でもなく。
「お前がそういうならそれでいい。じゃあ、これを見てみろ!」
そう、遠山の金さん的にコナテは物的証拠を示した。
それは、デジカメに残された、少年が撮った写真。
自分の部屋が5枚。
ご丁寧に、ムービーには彼の顔も写っている。
実はカメラは盗んだ翌日、彼はうちのハンモックの中に返していたらしい。
私は事件から4日後の昨日見つけたのだ。
バッテリーを充電して、その映像を見た時、目を疑った。
恐らく消し方も再生の仕方も「バッテリーが切れた」ことも分からなかったのだろう。
それにしても彼は・・・証拠を残して返却に来た。
一体何がしたかったのだろう。
再びコナテ。
-盗ったのはお前か?
-いや、僕じゃない。
-じゃあ、これは誰の部屋だ?
-ぼ、僕の部屋です。
-これはだれの手だ?
-ぼ、僕の手です。
-これは誰の顔だ?
-ぼ、僕です。
-じゃあ、盗ったのはお前だろうが!
いいぞ、コナテ!論理的だ。
-・・・いや、僕じゃない。
アカデミー賞は君にあげよう。
ここまでやっても、しどろもどろな少年はしぶとい。
コナテもイライラしてくる。
少年は別室に連れて行かれ、一番偉い人と取調べをして帰って来た。
そこで自白したらしい。
-今、あっちの部屋で言ったことをもう一回説明しろ。
盗った(volé)のはお前だな。
-ちがう。僕は持っていった(pris)だけだ。
なにをーーーーーーーーーーーーーーー!
どこまでしぶとい奴だ。同情の余地なし。
そんな1時間のやり取りの末、少年は一応認め、
叔父は供述書にサインをした。
「カメラは無事だし、こいつは子供だし、やったことも認めている。
今回はこれで。」By コナテ
私には少年が深く反省しているとは思えない。
私だってたくさんの中学生と接してきた。
そんなの、顔を見れば分かる。
でも、「俺はお前を残念に思う。」とコナテが言った時、
一粒だけ流した涙と、少年の良心を信じよう。
Celui qui vole un oeuf volera un boeuf.
(卵を盗む奴は牛を盗む)
マンゴーを盗んでいたのも、もしかしたら彼かもしれない。
彼が否定する以上、真相は解明できない。
週末から警備員が一日中になった。
自分の身は自分で守っていかなければ・・・
深く反省する今日この頃です。