「ミカ、いつ家に招待してくれるんだ?」
お互いの家を訪問しあうことで、その人間関係は深まっていくらしい。
だからって、何の連絡もなく、休日や平日の夜にやってこられるのは、
日本人的にはちょっと困る。
「そのうちね。」
で先延ばしするのも限界の様子。
「日本から友達が来たから。」と遂に同僚3人を招待した。
今夜のメニューは、カレー。
1人はイスラム教徒のため、肉は羊、ルーも豚脂が入った市販の固形ルーでなく、
スパイスを合わせてパウダーから作った。(美術の先生が)
つき出し、的につぼ漬けとあられ。
今日は箸で食べてもらいましょう。
箸の使い方講座の始まり。
私の出番なく、意外とうまかった。
リ・ソース(野菜のシチューみたいなものをかけたご飯)が日常食。
カレーは日本版、もしかしたらインド版リ・ソース。
抵抗なし。
定番のにんじんとジャガイモはなく、オクラとなす入り。
味は大絶賛。
それなのに食べ盛りの彼らがおかわりしなかったのは、遠慮なのか、
実は社交辞令だったのか、まさかの緊張だったのか。
「これをやれば絶対ブルキナで一財産稼げるはず」と、彼女の肝いりカキ氷。
カキ氷機は、1月前に船便で彼女から届いていた。
シロップは、粉ジュース(イチゴ&バナナ、パッションフルーツ)を煮詰めて代用。
カキ氷は、見るのも作るのも食べるのも初めての経験。
はしゃぐ。
ものの、これもそんなに食べなかった。
遠慮なのか、実は社交辞令だったのか、冷たいものに慣れてないのか。
フランス人の彼女がいるノエルが日本料理について紹介。
「スシにはワサビをつけて食べるんだぜ。」
「スシって何だ?」
「小さいライスの塊の上に、生の魚が乗ってるんだ。」
「なに!?魚を生で食うだって?ありえない!」
とにかく、夜は更けていった。
彼らはお土産にTシャツをもらった。
翌日、光まぶしい新品のTシャツ。
マジンガーZ。
こうして
日ブ文化交流は小さな町の小さなサロンの小さなコミュニティーで行われた。